善良な人たち
1年ぶりに学生時代の友達と集まった。
現在の境遇は人それぞれなのに、会えばみんな大声でつきることない話題に笑い合う。
以前、別の友人に「お互いライバルになっちゃわないの?」と言われた。
誰かのことをあるいはメンバー全員を、ライバルと感じている人がいるとはまったく思えない。
みんな、自分というものがはっきりしていて、お互いを認め合うことのできる人たちだ。
正直なところ、私は現在の自分が無職であることを、最初は隠そうと考えていた。
このトシで、ましてこの不景気で自己都合退職なんて、心配をかけてしまうのが本意でなかったためだ。
しかし、仕事を持っている人はそれぞれに辛抱があり、仕事はしていなくとも抱えている課題はある。そして、それぞれの守るものも。
メンバーの頑張っている近況を聞くと、なんだか隠し事が苦しくなり、打ち明けた。
予想に反して、誰一人「大丈夫なの?」と訊かなかった。
深く追求したり、現実を突きつけたりする人もいなかった。
それが、信頼されているようでとても心地よかった。(本当は呆れられたのかもしれぬ・・・)
彼女たちとの話題は、いつも楽しい話ばかり。
グチや悪口は一つも出てこない。
善良な波動に触れているだけで、自分も明るく前向きになっていくのは本当だと痛感する。
「もうこんな時間!」といつもどおりのお開きとなり、それぞれの日常に戻っていく。
後から「楽しかった!」「元気もらえた」「また会おうね!」とメールが飛び交うが、個別に「環境も変わってたいへんだろうけど、就活頑張ってね」など、人前では何気なく接してくれていたのに、陰でエールをくれた人たちがいて、私も陰で涙したのだった。
この人たちがいてくれる限り、世の中は良い世の中で、私も生きていけると思った。
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